演技

 先日ある日本の映画の新作をDVDで観ました。残念ながらその映画は期待外れで面白くはなかったのですが、いくつか考えることがありました。それは、「俳優を本業としない人」の演技力についてです。今回の映画では、イッセー尾形さんとピエール瀧さんが、その「俳優を本業としない人」に当たるわけで、イッセー尾形さんは一人芝居仕立てのコントで揺るぎないポジションを確立してきましたし、ピエール瀧さんは『あまちゃん』への出演以降、かなりの数の映画やTVドラマに出ておられ、俳優業においてもそれなりの評価を得ています。しかし、1本の映画の中で他の俳優さん達と比べて観ていると、やっぱりなんか違うんだよなぁと感じずにはいられませんでした。もしかしたら、イッセーさんやピエールさんの演技の方が自然なのだけど、自然過ぎてかえって不自然に見えてしまうのかもしれません。具体的に「ここが違う!」というポイントを明確に指摘することは出来ませんが、漠然と何かが足りない感じがします。例えるなら、本物のビールとノンアルビールの風味の違いのようなものかもしれません。