上司の出張

 上司が数週間後にヨーロッパへ出張することに決まったのは随分前でした。ドイツで開催される展示会を見学したり、関連施設を視察したり、市場調査する予定だそうです。これはうちと取引のある業者が企画したツアーで、他社の方々と一緒に行動するようです。主な訪問先はドイツ国内ですが、ビジネスの場では英語でのやり取りとなります。しかし、その上司は英語が全く出来ないので、私に英会話を教えてくれと言ってきました。取り敢えずは展示会場で業者のブースを訪れた際の挨拶から教えてくれと言い、挨拶で必要と思われるフレーズを日本語で私に渡し、それを英訳してくれと。それこそ「こんにちは」から始まる初歩の初歩で、中学1年生の英語の教科書の最初の方のページに載ってそうな文章です。それを英訳するのは簡単ですが、重要なのはその後であり、展示内容の説明を受けたり、ビジネスの話をする段階になれば何を言っているのかサッパリわからない状況となるのは明らか。ならば、最初から開き直って英会話を放棄した方が良いような気もします。ツアーには英語が出来る人がたぶん随行するでしょうから何とかなるとは思うのですが。