村上春樹さんがパーソナリティを務める『村上RADIO』というFMラジオの番組が始まったのは昨年の夏だったと思います。あの村上春樹がラジオで喋るとは！と驚きと感動とコーフンを感じながら第1回の放送を聴き、録音もして保存しました。その番組の10回目の放送が12月15日（日）の夜にありました。正直なところ、初めの頃のようなワクワク感は無くなってきていて、村上ファンとして一応内容をチェックしておくか、ぐらいのテンションでラジオをつけて、他の事をしている間に気が付いたら終わっていました。番組の構成としては、村上さんが御自身でコレクションしたレコードをスタジオに持ってきて曲をかけて、その曲の前後にそれにまつわるエピソードを話したり、曲の印象を述べたりするのですが、それらの曲の傾向が必ずしも私の好みと合うわけではないので、番組に対する興味は段々と薄らいでしまっています。音楽について書かれた村上さんのエッセイを読むのは、たとえそれが私の好みの曲でなくても、文章を読むだけで何か伝わってくるものがあるのですが、それを音声で聞くとなると何故かピンときません。村上春樹の魅力は、やはり内容というよりも文章そのものなのでしょう。
