オンライン面会

 コロナ騒ぎが始まって以来、どこの病院でも入院患者と家族との面会は原則としてできなくなりました。しかし、全く会えなくなるのも患者のメンタルに良くないという考えからなのか、病院ごとに工夫しているようです。現在母が入院している病院では「オンライン面会」という方法が取られています。これを聞いて私は「自宅に居ながらにして母と会えるのか」と思ったのですがそうではなくて、病院まで出向いていって、院内の専用のスペースに設置してあるタブレット端末を使ってLINEのテレビ電話で病室にいる母と話すというものでした。しかも時間は5〜10分という短いもの。そして病棟ごとに曜日と時刻が決まっていて、うちの母の場合は水曜日の午後しかオンライン面会を利用できません。ただ、母はスマホの操作方法を習得していないし、院内の公衆電話まで行くこともまだできないみたいなので、母の状態を見たり、何か持ってきてほしいものはないかと訊いたりする必要があるので、午後は半日有給休暇を取って病院へ行ってきました。どんな具合なのか、ずっと病室にいて落ち込んではいないかと心配していたのですが、久しぶりに見る母は意外と元気で、何か持ってきてほしいものはないかと訊くと、おやつに食べるちょっとしたお菓子がほしいと言い、食欲はあるのだなと安心しました。考えてみれば、入院前は1日3食を自分で作り、掃除・洗濯といった家事をこなし、書道の講師としての仕事をしたりと忙しい毎日を送っていた母でしたが、入院中はそういった全てのことから解放され、バランスの取れた食事を取り、身体をしっかりと休めることができているので、自然と元気を取り戻したのかもしれません。退院したらまた元のように全ての家事を自分で行うのではなく、様々な福祉サービスを利用できるようにしてあげたいです。