父を診てくれている近所のかかりつけ医は、父が独りで病院まで歩いて、あるいは自転車で来ることに対してかねてから危険だと考えているようでした。家から病院までは歩いて数分の距離だけれど、父の年齢や健康状態を考えるとその距離を歩くことは決して容易なことではないし、かと言って自転車に乗ってバランスを崩して転倒すれば大怪我につながる恐れもあるし、というようなことを事あるごとに私に言っていました。これは遠回しに、私が父を車に乗せて連れてくるべきだと言っているように思えました。そこで、ちょうど薬がなくなる頃でもあったので父を車に乗せて病院まで行くことにしました。この日は私は私で名古屋の病院で診てもらう予約が入っていたのですが、それをキャンセルしてまで父の通院を優先させたのでした。診察の途中で父は「近所のスーパーまで歩いて行くのは良いのか?」と訊いたので、私は当然ダメと言うと思ったら、かかりつけ医のT先生は「歩くのはとても良いことですからどんどん歩いてください!」と答えたのを聞いて、えっ!?なるべく出歩かない方が良いと言ってなかったっけ?と私は困惑してしまいました。この先生は結局、通院途中で倒れたら色々と困るけど、スーパーなら自分は無関係だからどうでもいいとでも思っているのかも。