木曜雑感

 会社の同じフロアにSさんという女性がいます。普段からあまり自分のプライベートのことは話さない人で、どうやらお父様がお亡くなりになったみたいなのですが、詳しいことはわかりません。親族が亡くなった場合、有給休暇とは別枠の特休というのがあって、親が亡くなったら5日間は休めることになっていますが、Sさんはそれを2日取っただけで、あとは普通に会社へ来て普通に仕事をしていました。まあ、それぞれの人にそれぞれの事情があるのだろうなと思いました。

 主に会社からの帰りの電車の中で読んでいた又吉直樹さんの『人間』という小説を読み終えました。文庫本で450ページ弱の比較的長い作品。芥川賞を受賞した『火花』、役者志望の青年を描いた『劇場』に続く3作目となる今回の作品は、作家・又吉直樹の現時点での集大成的なものだと言われていて、確かにいろんなものが詰め込んであり、詰め込みすぎな感じがしないでもなく、ストーリーだけを見れば決して面白いわけではないのですが、しみじみと味わい深い作品で、もう一度読み返してみたくなりました。