試合終了

 先ほど、楽天マー君が巨人相手に完投勝利をおさめました。私はテレビで観戦していたのですが、試合が決まった瞬間、NHKの実況のアナウンサーが「ゲームセット!」と高らかに叫びました。「ゲームセット」という言葉は和製英語で、テニスに由来していると思われます。テニスは、4ポイント取ると1ゲーム、6ゲーム取ると1セット、2または3セット取るとその試合を取る(勝つ)ことになります。どちらかが4ポイントを取ってそのゲームが終わると主審は「ゲーム」とコールします。そしてあるゲームの終わりが同時にどちらかのプレーヤーの6ゲーム先取に当たる場合は、そこで1セットが終了することになるので、主審は「ゲーム&セット」とコールします。更に、あるゲームの終わりが1セットの終わりであると同時に試合(マッチ)の終わりである(どちらかのプレーヤーが2または3セットを取った)場合は、つまりゲームとセットと試合(マッチ)が同時に終わることになるので主審は「ゲーム、セット&マッチ won by ○○○」とコールします。確かに、試合終了の際に「ゲーム、セット・・・」という言葉は使われるのですが、これはテニス特有のポイントの形式によるものであります。これを耳にした日本人が「ゲームセット=試合終了」と勘違いしたことからこの和製英語が生まれたものと思われます。setという単語には「終了」という意味は無いのですが、何となく「セット=完了」というニュアンスが感じられないこともないせいかもしれません。高校野球の試合でも同じように実況のアナウンサーが「ゲームセット」という言葉を使っています。サッカー等の他のスポーツでは「ゲームセット」という言葉は使われませんし、野球でも普通に「試合終了」と言えばよいと思うのですが、NHKがこの和製英語を堂々と使っている限りは今後もまかり通っていくのでしょう。