そういえば

 そういえば、先日の坂本龍一&東京フィルのコンサートは、定刻になるとスッと演奏がスタートしました。通常、こういったコンサートや講演会などでは、まず最初に携帯の電源は切っておけだの、撮影や録音は禁止なので見つけ次第退場させるだの、演奏中の会場への出入りは禁止だの、ナンダカンダと「やってはいけません」関係の注意事項が長々と読み上げられるものなのですが、今回の坂本さんのコンサートではそういったものが一切無くて、それどころか司会進行役の女性が出てきて「本日はご来場ありがとうございます。ただいまより坂本龍一さんと東京フィルのコンサートを開始致します。さて、皆さんもよく御存知のように坂本さんは、・・・・」といった型にはまったナレーションもありませんでした。時間になると、東京フィルの団員が入場し、それに続いて坂本さんが入ってきて、スッと演奏が始まりました。グダグタと長い注意事項が読み上げられるのに慣れてしまっていた私は、今回のようなスタイルはとても新鮮に感じられ好印象を持ちました。子供じゃないんだから、そういう注意事項をイチイチ長々と読み上げなくてもみんなそれぐらいのことはわかっているから大丈夫、というふうに良識ある大人として扱ってもらえたようで心地良かったです。自分では実際に見たことが無いのですが、おそらくはヨーロッパの伝統あるクラッシック音楽の演奏会などでもそういった「やってはいけません」が読み上げられるなどといった無粋なことは行われないのでしょう。こういうスタイルが日本でも広まって欲しいものです。