『アルツハイマー病が劇的に改善した!』

 著者は小児科が専門の女医。彼女の夫がアルツハイマー病と診断され、その後は病状の進行と共に苦労と悲しみが増えていきました。しかしある時、ココナッツオイルがアルツハイマー病の症状の緩和に効果があるかもしれないという記事を偶然見つけ、夫に毎日与えてみたところ症状が改善したのでした。
 アルツハイマー病については、その原因も含めてまだ分からないことが多いのですが、アルツハイマー認知症は「3型糖尿病」と呼ばれることもあります。糖尿病においては、インスリンの分泌が少なかったり働きが悪いことによって血中の糖が細胞内へ取り込まれなくなるわけですが、同様のことが脳内でも起こり、エネルギー不足となった脳細胞の機能が低下または失われてしまうのがアルツハイマー認知症です。しかし、ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸インスリンを介さずに細胞へ取り込まれてエネルギー源として使われることが可能なので、ココナッツオイルを摂取することにより失われた脳機能が回復する可能性が出てくるのです。
 ココナッツオイルのような融点が高い油脂は体に悪いというイメージを抱いていて、そんなものがどうして認知症に有効なのかずっと疑問だったのですが、この本を読んで上記のようなメカニズムを理解し合点がいきました。
 アルツハイマー認知症は突然発症するように見えますが、実はそのずっと前から脳細胞へのダメージが少しずつ進行しているとも言われています。従って、脳が正常に機能するうちから中鎖脂肪酸を含むココナッツオイルやMCTオイルを摂取することにより脳細胞がエネルギー不足にならないようにすれば、この病気を予防する効果もあるのではないかとも書かれていました。これを読んで私もココナッツオイルを毎日摂取しようかと思いました。