文庫本をめぐる問題

 読書の秋です。本を読むことは好きなので、秋でなくても読むわけですが、1冊読んでいる間に「あ、面白そうだ!」と思った本を2〜3冊買ってしまうこともあるので、未読の本がどんどん溜まっていってしまうという問題があります ^^;)

 昨晩のニュースで見たのですが、文春の社長が都内で開催された全国図書館大会で、図書館での文庫本の貸し出し中止を求める意見を表明したそうです。文芸春秋社では最大の収益部門は文庫で、全体の30%強を占めるのですが、年々売り上げが減少しており、図書館での文庫本の貸し出しの増加がこれに少なからず影響していると述べました。これは文春に限らず、どの出版社でも似たような状況なのでしょう。ただでさえ本が売れない時代で、出版は斜陽産業となって久しいのに、出版社にとっての稼ぎ頭である文庫が、一方では図書館で無料でジャンジャン貸し出されたら、そりゃ出版社はたまらんでしょうね。出版社の経営が立ちゆかなくなると、当然作家の収入も減り、作家では食べていけなくなり(今でも危機的状況らしいですけど)、やがて作家が絶滅してしまいかねません。本は各自がお金を出して買うもので、図書館には高価なため個人では買えないような本とか、その地域の文化や歴史に関する、その地域でしか手に入らないような本とか、絶版になって書店では手に入らないけどとても良い本とか、古典的な文学作品をたくさん置くようにした方が良いと思います。人気作家の本は図書館でも借りたい人が多くて長期間待たねばならず、もっとたくさん置いてくれという声もあるらしいですが、そういう本は自分で買えよな、といつも思います。というようなことを言うと、じゃあ貧乏人は読書をするなということか、と憤る人もいますが、ベストセラーだけが本ではなく、図書館へ行けばそれ以外にも良い本がたくさんあるので、そういうのを読めばいいのでは。