たまには笑わないと

 普段はほとんどテレビを観ることが無い私ですが、全く関心が無いわけではなくて、観たい番組はあるのですが、時間が無くて観れない、録画したとしても、それを観る時間が無いのです。しかし、年末年始の休みに入ると、バタバタしながらもある程度は時間に余裕が出てくるので、普段観たいと思いつつ観ることが出来なかった番組をやっと観ることが出来るなと浮かれていると、年末年始は特番のため、普段と違う番組になっていてガッカリすることになります。特にNHKは、紅白へ向けての準備で忙しくて新しいコンテンツを作っているヒマが無いのか、「この一年を振り返る」的な内容が多くて、「そんなに振り返らなくたっていいんじゃないか?」と思うほど、これでもかこれでもかというくらい振り返っています。しっかり調査したわけではありませんが、他の国に比べると日本は年末にその年を振り返るのが好きな民族のような気がします。アメリカに住んでいた頃は、リスニングの勉強も兼ねてテレビはよく観ていたのですが、年末にその年を振り返るような番組は無かったような気がします。

 そんな中、珍しく録画しておいたM-1を観ました。ミルクボーイというコンビは全く知らなかったのですが、「コーンフレーク」というネタも「最中」も面白かったです。ネットに上がっている他のネタも観たのですが、そちらも笑えました。どのネタも構成というか枠組は皆同じで、テーマだけをコーンフレークにしたり最中にしたりするわけで、こういうパターン化されたものはAI(人工知能)の得意とするところなので、いずれはAIが漫才のネタを作ることが可能になるかもしれません。何年か前にAIが書いた小説が星新一賞の予選を通過したことが話題になりましたが、ショートショートとは言え小説が書けるならば漫才のネタだって書けそうな気がします。そう遠くない未来に、M-1で吉本芸人とAIが対決する日が来るかも。将棋やチェスの世界では人間対AIの対決が既にありますし。

 ただ、「笑い」というものは独特な感情であり、「どうしてそれを面白いと思うのか」をきちんと説明出来ないことは多々あります。論理的な説明が困難な感覚的なものをAIが理解出来るようにするにはまだまだ時間が掛かりそうな気がします。映画『ターミネーター2』の中にシュワルツェネッガーが演じるアンドロイドがうまく笑えないという笑えるシーンがありましたが、「笑い」はやはり難しいものなのでしょう。


ターミネーター2 「たまには笑わないと」