カミュの小説

 カミュの『ペスト』という小説は、現在のコロナ禍を彷彿とさせるものがあるということで一時期は売り切れ状態でしたが、素早く増刷されて書店に山積みされるようになったのは4月頃だったような気がします。こういう古典的名作は、大人になってしまうとなかなか手を出そうとは思わないので、これは良い機会かもしれないと思い買ってしまいました。買ってみたものの、すぐには読まずに積んでおいたのを暫く前に読み始めました。

 こういう海外の小説を翻訳した場合、翻訳者によって、あるいは翻訳された時代によって随分と読み易さ(読み難さ)が違うもので、この『ペスト』は個人的にはあまり読み易くありませんでした。本の奥付を見ると、初版は昭和44年となっていました。今から50年以上も前なので、この当時はこういう翻訳の仕方が主流だったのかもしれませんが、文章が現代の感覚と合っていないように思えます。読んでいてストーリー自体は決して退屈ではないのですが、文章のリズムに違和感を抱くことなく読めるようになったのは100ページを過ぎたあたりでした。そこから更に読み進み全体の半分弱までいったところで、他にどうしても読みたい本があったので『ペスト』を読むのは一時中断しました。暫くしたら続きを読むつもりです。

 それから、NHKEテレの『100分de名著』という番組ではこの『ペスト』を2018年の6月に取り上げていたようなので、NHKオンデマンド等で視聴が可能なら観てみたいです。