グラッパ

 翻訳小説を呼んでいたら登場人物のひとりが「グラッパ」という酒を飲むシーンがありました。グラッパとは葡萄の搾りカスを発酵させて作ったお酒である、と注釈が付いていましたが、どんなお酒なのか全く見当がつきません。そこで久しぶりに会社帰りにバーへ立ち寄ってグラッパを注文してみました。どのような飲み方が美味しいのかマスターに訊くと、そのまま召し上がる方が多いとのことでしたので、ストレートで頂くことに。グラスに入ったグラッパを私の前に差し出しながら「アルコール40度ですから、気を付けてくださいね。」とマスターは言いました。製法的にはブランデーと同じらしいので、ブランデー的な風味を予想していたのですが、ちょっと薬品っぽい風味でした。なるほどこれがグラッパか、と思いながら飲み干しました。アルコール度数が40度なら普通のウイスキーと同じだから大丈夫だろうと油断していたのですが、思った以上に酔いが回るのが早かったです。グラッパが強いのか、私が弱いせいなのか。マスターいわく、グラッパを飲む時は3人で行け、という格言がイタリアにはあるそうで、酔い潰れても両側から支えて帰れるようにという意味だそうです。イタリアではエスプレッソを飲んで、デミタスカップの底に残っている砂糖と少量のエスプレッソの上にグラッパを注いで飲むこともあるらしいです。その飲み方もコーヒー好きの私としては興味がそそられるので、いつかやってみたいです。