ジョギングをする際、以前は退屈を紛らわせるためにiPod(現在は販売されていませんが)で音楽やポッドキャストのラジオ番組を聴きながら走っていた時期もありました。しかしその後しばらくすると、走る時には何も聴かなくなりました。そうすることに何となく飽きてきたのと、耳が塞がっているのは安全上の問題があるからということもありましたが、最大の理由は何も聴かずに走っていても退屈さを感じなくなったからでした。音楽なんぞ聴かなくても、何かについて思考を巡らせたり、あるいは逆に何も考えず心を無にして黙々とただひたすら走り続けることに心地良さを感じるようになったのでした。
今では「何も聴かない」ランニングスタイルがすっかり定着して、それは退屈でもなければ苦痛でもないのですが、あるランニング系のポッドキャストの番組で骨伝導のイヤホンを紹介しているのを聞いて興味を持ったので、試しに使ってみることにしました。骨伝導という技術について知っていましたし、新しい技術でもないのですが、実際に使うのは初めてでした。鼓膜ではなく、耳の周りにある骨を介して聴覚神経に振動を伝えるという方式らしいのですが、普通のイヤホンのように聞こえるわけがないだろうと思っていました。しかし、骨伝導イヤホンを装着して初めて聴いた音は、普通のイヤホンとほぼ同じレベルと言ってよいほどの音質でしたので大変驚きました。低音の響きに深みが足らなかったり、高音が歪みがちであったりしますが、アマゾンで買った安い物にしては上出来だと言えましょう。音楽の再生や一時停止、曲の選択等は腕にはめたアップルウォッチで操作できるのも便利です。