書店内のカフェ

 駅の近くにある大型書店の広いフロアの一角にカフェが併設されていることは、その書店がオープンした当初から知ってはいたのですが、一度も入ったことがありませんでした。先日の会社帰りにその書店へ行き、店内に設置してある端末で本の在庫を確認してからその本が置いてある棚へ向かって移動していた際にたまたまそのカフェの前に来ました。そう言えばこのカフェには入ったことが無かったよなぁと思い、コーヒーを飲むぐらいの時間的余裕はあったので初めて入ってみることにしました。

 入口のところでウエイトレスに「未会計の本を2冊まで持って入ることができますが、どうなさいますか?」と訊かれました。まだ支払いが済んでいない本をじっくり読めるのが、こういった書店に併設されたカフェのセールスポイントのひとつであるのですが、その時の私の鞄の中にはまだ読み始めたばかりで早く続きを読みたい文庫本が入れてあったので、未会計の本は持ち込みませんでした。広い店内には客が数名いて、そのほとんどが、コーヒーを飲みながらおしゃべりをするというよりは静かに本を読んでいる人がほとんどでした。私が椅子に腰を下ろすと先ほどのウエイトレスがやって来たのでメニューにさっと目を通し、コロンビア産のシングルオリジンの豆のコーヒーを注文しました。普通のサイズ(つまりコーヒーカップ1杯分)の他にデキャンタ入りのサイズ(2〜3杯分)があったのでそちらを注文。待つこと10分ほどでコーヒーが届きました。デキャンタから自分でカップにコーヒーを注ぎ、どんな風味なんだろうかと期待を抱きつつひと口飲んでみました。私は苦味が強くて酸味が無いコーヒーが好きなのですが、今回のこのコロンビアの豆は酸味が強いタイプでした。普通なら「失敗したな」と思うところですが、酸味が強いのに何故かとても美味しく感じました。酸味の質が良いのと、他の風味要素とのバランスが取れているからだと思います。お値段は少々高めですが、このカフェにまた来たいです。