図書館司書

 電車の中で女性の貧困に関する本を読んでいました。その本には貧困に陥る様々な実例が取り上げられていて、例えば大学生で学費や生活費を支払うために奨学金という名の学生ローンでお金を借りると4年後の卒業時点の借入金は利子を入れると600万円になり、自己破産レベルの借金を背負って社会人生活をスタートしなければならない学生が非常に多いと書いてありました。また、図書館の司書の例もありました。市立図書館の司書と聞くと、専門職だし、市が運営しているから安定した職業だと思っていたら、そんなことはなくて、小泉政権時代の構造改革によって地方へ交付される金が減額されて予算が足りないので、現在の図書館の司書の大半は非正規雇用で、とても安い賃金しか得られず貯金もできない上に雇用期間が最長5年とか決められていて5年経つと自動的に首を切られるので、あらためて勤め先を見つけなければならないらしいです。それを読んでいて思い出したのが、以前うちの会社の同じ部署にいた女性でした。3年も経たないうちに退職してしまったのですが、その人は本が好きで、辞める際に次は図書館司書を目指して頑張るみたいなことを言っていたのでした。その後、司書の資格を得ることができたのかどうか知りませんが、希望が叶って司書になれていたとしても、経済的にはかなり苦しいんだろうなと考えると、とても気の毒に感じたのでした。