メキシカン

 メキシコ料理は、日本ではあまりなじみが無いので、アメリカへ行くまではほとんど食べたことがなかったのですが、私が暫く住んでいたカリフォルニアやオレゴンには、地域がらメキシコからの移民が多いせいなのか、メキシコ料理のお店がそこかしこにありました。
 最もポピュラーで手軽なメキシコ料理はタコスやブリトーですが、トルティーヤ(生地)で具材(チキン、煮豆、レタスやトマト、サルサ等)を包んで食べるというスタイルが辛うじて共通しているものの、サイズも味も店によって様々でした。『タコベル』というファストフードチェーンのブリトーは、春巻きを少し大きくした程度のサイズで、具材も少なく、日本円で1個100円もしなくて味もそれなり、というか大して美味しくもないのですが、別の個人経営のお店へ行って「ブリトーください」と注文すると、子犬ぐらいの大きさのブリトー(日本円で400〜500円だったと思います)が出てきて、ランチにそれを食べると晩御飯は食べなくてもいいくらいのボリュームがあったりしました。
 日本だと、おにぎり1個にしても、うどん1杯にしても、「だいたいこのぐらいのボリューム」というのが決まっていて、それが当たり前だと思っているのですが、メキシコ料理のように、それぞれのお店が好きなように大きさや価格を設定しているのは、よその国から来た私のような者にとっては、驚きと発見に満ちたカルチャーショック的な体験でありました。