エルミタージュ美術館

 名古屋市美術館で開催中の『大エルミタージュ美術館展』を観に行ってきました。
 エルミタージュ美術館は、サンクトペテルブルグにあるロシアの国立美術館で、18世紀にエカテリーナ2世がドイツから買い取った美術品を集めた自分専用の展示室としてスタートしたのだそうです。
 現在のエルミタージュ美術館の本館はロマノフ王朝時代の王宮だそうで、写真でみる美術館の建物は、中身もさることながら、外観も素晴らしいです。

 この名古屋での展示では、16世紀から20世紀にかけての各時代の代表的な画家の作品を観ることができました。と言っても、16世紀(ルネサンス期)はほとんが宗教画なので、信仰心が篤い人が観ればそれなりの感慨深さもあるのでしょうが、私などが見てもいまひとつピンときませんでした。この時代(ルネサンス期)は、カトリック教会が芸術家達の最大のパトロンだったので、画家に資金を援助する一方で布教活動の媒体のひとつとしての宗教画をせっせと描かせた(逆に、画家は宗教画以外の絵[風景画とか]を描いても金にならなかった)という時代背景が絵画の歴史に如実に反映されていて、それはそれで面白い事実だと思いましたし、目的はどうであれ、そういった芸術家を育てる環境があったことがその後の美術の歴史の礎となったのだなぁ、ということがよく理解できました。

 17世紀になるとようやく知っている画家(レンブラントとか)が登場し題材も少しずつ多様化していき、19世紀以降になるとモネとかセザンヌピカソといった有名どころが登場し、中学校の美術の教科書で目にしたことがある絵があったりしました。

 今回の名古屋での展示には89点の作品が出品されていますが、これはまだエルミタージュ美術館の収蔵品(300万点超)の極一部に過ぎません。名古屋市美術館ではこれまでに3度のエルミタージュ展を開催しており今回が4回目なのですが、今後も第5回、第6回と続けていって欲しいと思いました。