シャガール

 岐阜県美術館で開催されているシャガール展を観に行ってきました。
 シャガールは、とても好きな画家のひとりです。柔らかくて優しいタッチに何とも言えない魅力を感じます。また、絵本の絵のような物語性があり、ずっと観ていてもあきません。幻想的なイメージを描きながら、同時に人が誰しも持っている感情(愛情とか、哀しみとか)を内包しているところに人間的な温かみを感じ、心が共鳴します。

 色の使い方にもとても特徴があり、特に青色が印象的で、私の個人的なイメージとしては「シャガールといえば青」とずっと昔から思っていました。今まで、写真でしか観たことがなかったシャガールの作品を実際に目の前にして、その青色にも様々なバリエーションがあることがよくわかりました。中でも心にグッときたのが『青い恋人たち』という作品で、解説によると最愛の妻を亡くした哀しみが表現された”暗い青”となっていましたが、その微かに緑色がかった深みのある青色は、哀しみを表しながらも冷たさや絶望感は無くて、どこかに温かみがあるように私には感じられました。もしも私がルパン三世のような大怪盗で、今夜この美術館に忍び込んだとしたら、間違いなくこの『青い恋人たち』を頂くだろうな、などと妄想しつつ、さりげなく防犯カメラの位置を確認したりしました ^^;)
 勿論、本当に忍び込むわけにはいかないので、美術館の売店で『青い恋人たち』のポストカードを購入して部屋に飾ろうかと思ったのですが、本物の作品にあるような深みのある青色ではなく、のっぺりとして味気ない感じの色調だったので、買いませんでした。

 それにしても、『青い恋人たち』という題名は北海道のお土産の名前に似ているせいか、いまひとつ格調高い響きではありません ^^;)

 ちなにみ、ぎふ清流国体の総合開会式に御臨席するために天皇皇后両陛下が岐阜へお越しになった際には、このシャガール展も御覧になる予定だそうです。