『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事

 著者はシリコンバレーのIT起業家で、かつては肥満と体調不良に悩まされていたけれど、それらの改善に「IT的な手法」を用いて成功し、それをまとめたのがこの本。この場合の「IT的手法」というのは簡単に言うと「数値化と徹底分析」で、いろんな食材を摂取してそれが体にどんな影響を及ぼすかを自分の身体を使って実験するというものでした。
 そのような”人体実験”の結果得られた成果はいくつかありますが、そのうちのひとつは「良い脂肪」を摂取するというものでした。脂肪というとダイエットも含めた健康的な食生活においては真っ先に排除されがちですが、この本の著者は一般的に体に良いとされているオメガ3系の多価不飽和脂肪酸EPADHA等)の他にバター(但し、穀物を飼料として与えられた牛ではなく、牧草のみで育てられた「グラスフェッド」の牛の乳から作られたバター)を食べることを薦めています。
 それから、この本で度々、というかしつこいくらい登場するのが、カビ毒(アフラトキシン)で、これに汚染されている可能性のある食品は徹底的に排除するよう、口が酸っぱくなるくらい繰り返し述べられています。

 この本に書かれていることは一理あるとは思いますが、あくまでこの著者の体においてはそのような結果が出たということであって、他の人でも同じ結果になるとは言えません。この著者によると、避けるべき食材の中に大豆も含まれていて、確かに遺伝子組み換えの大豆はダメでしょうが、大豆食品を昔から食べ続けている日本人の寿命が世界で上位(女性は1位、男性は3位)であるという事実と整合性が取れないなど、納得のいかないこともいくつか書かれていました。

 ひとつ興味を持った食材は、牧草だけで育てられた牛の乳から作られたバターです。普通のスーパーでは売ってませんが、成城石井にも置いてなかったのでAmazonで注文しました。フランス産のバターなのですが、輸入時期の関係で到着にはもう少し時間がかかりそうです。本の中ではこのバターをコーヒーに入れてましたが、果たしてどんな風味なのか楽しみにしています。