美味しくない魚

 会社から帰ってきて、入浴を済ませてから食卓につくと時刻は既に11時をまわっていました。この日の晩御飯のメインのおかずは焼き魚でした。魚の名前は分かりませんが、大きな魚。ああ、魚か・・・、と私はひどく落胆しました。と言いますのは、焼き魚が美味しかったことは滅多に無いからです。母は比較的料理が得意な方ですので、料理の仕方に問題があるのではなく、素材(魚)に問題があると考えられます。私が思うに、岐阜のような海の無い県は昔から魚の流通網というものが発達せず、美味しい魚が一般の販売ルートに乗ることは少ないようです。昔に比べれば魚を新鮮に運ぶ冷凍技術やチルド技術は発達したものの、肝心の魚を調達するルートが無いのだと、あったとしても極僅かなのでしょう。岐阜のスーパーで売っている魚は、よほどの旬の魚でもない限り、脂がのってなくてパサパサしており、刺身でも焼き魚でも煮魚でも美味しくありません。しかし、夜遅く帰ってきた私のために用意してくれたものを食べないわけにはいかないので、何とか頑張って食べるようにしています。何とかならないものだろうかといつも思います。