『天使の護衛』

天使の護衛 (RHブックス・プラス)

天使の護衛 (RHブックス・プラス)

 11月3日の記事に書いた『モンキーズ・レインコート』というアメリカの探偵小説の主人公の相棒の探偵(パイク)にスポットを当てたスピンオフ的な小説が気になったので読んでみました。『天使の護衛』というタイトルで、この本も前作と同様に既に絶版となっていましたので、アマゾンを通じて古本を購入しました。麻薬がらみの揉め事から命を狙われることになった若い女性にパイクが護衛として寄り添いつつ事件の真相を究明していくというストーリー。
 物語の始まりは謎に満ちていて、この後一体どうなっていくんだろう、と気持ちを惹きつけられるものの、その後はあっちへ行ったりそっちへ行ったりしている割には何も解明されず、終盤になってやっと事態が急展開して一気にアクションシーンが増え、いろいろありながらも最後は正義が勝つというパターンは前作と同様で、中盤にもう少し何か変化を付けてくれたらもっと面白くなるのになぁ、と思いました。

 この小説の主人公の私立探偵パイクは、元々は海兵隊員で、その後警察官になったもののある出来事がきっかけで辞職して私立探偵になったという経歴の持ち主。このパイクは両方の二の腕に前を向いた矢印のタトゥーを入れています。「絶対に後ろには下がらない」という意志が込められていると説明されています。小説ですのでそのタトゥーの画像が載っているわけではないので想像するしかないのですが、「矢印」というと、どうしても道路標識の「一方通行」の矢印を真っ先に思い浮かべてしまいますが、まさかそんな図案ではなく、もっとデザイン性が高いものなんだろうなぁ。

 この作者のロサンゼルスを舞台にした探偵小説は、もう一作あるのですが、これも絶版で古本しかなくて、今のところ最低でも4,800円という高値が付いています。さすがに4,800円は高いのでもう少し価格が下がるのを期待しながら気長に待つことにします。

追いつめられた天使―ロスの探偵エルヴィス・コール (新潮文庫)

追いつめられた天使―ロスの探偵エルヴィス・コール (新潮文庫)