大谷君の目標達成シート

 メジャーリーグで大活躍中の大谷翔平選手が岩手の花巻東高校時代に当時の監督の指導のもとに作成した「目標達成シート」がちょっとした話題になりました。

 まず全体を3×3に大きく9分割し、それぞれのマスを更に9分割します。そして、シートの中央(上図の黄色のマス)に達成したい目標を書きます。大谷選手の場合は「ドラ1 8球団」、つまりドラフト会議で8球団から1位指名される、というものです。そしてその目標(黄色いマス)の周りの8個のマスに目標(大谷選手の場合であれば「ドラ1 8球団」)を達成するために必要となる項目(大谷選手の場合は、体力づくり、コントロール、キレ、メンタル、・・・)を書きます。この8個の項目をその外側の3×3の枠の中央部のマスに転記します。そして、それを達成するために必要とされる項目を8個書きます。

 こういうものが話題になると、すぐに「ビジネスでも活用できるのでは」と考える人がいて、うちの職場でも上の方のエライ人が「これを是非、うちでもやりなさい!」ということになってしまいました。確かに、これは面白いとは思うのですが、問題となるのはマスの数で、ひとつのテーマに対してそれを達成するための項目を8個挙げるわけですが、必ずしも8個だとは限らず、少ない場合もあれば、8個では足らない場合も出てきます。少ない場合は、無理やりひねり出すことになりますが、こうなるとマスを埋めることが目的になってしまい、本末転倒だと感じます。

 更に言えば、花巻東高校野球部ではこの「目標達成シート」をずっと使っているわけですが、大成功したのは大谷選手ぐらいか?(西部の菊池雄星投手も花巻東だけど、当時もこのシートを使っていたかは不明。) ということは大谷選手が大活躍しているのは、この目標達成シートのおかげというよりはやはり持って生まれた才能によるところが大きいのでしょうね。

 とは言っても、問題点をあぶり出し、目標やそれを達成するためのステップを明確にすることは出来るので、前向きに取り組もうとは思っております。