世界時価総額ランキング

 企業の市場での価値を表す数値には株価があります。しかし株価はその企業の価値の一側面を表しているにすぎず、株価だけでは比較が難しいので、株価に発行済みの株式数を掛けた「時価総額」という数値でその企業の価値を評価することが多いです。

 その時価総額の平成元年と平成30年(7月20日時点)の世界ランキングに関する記事がありました。それによりますと、平成元年には上位50社のうち日本企業は32社もランクインしていました。それが30年後には何と1社へと激減しています。

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 平成元年に上位50社に入っている日本企業を見てみると、銀行や証券会社が目立ちます。平成元年と言えば、末期とは言えまだバブルの頃でしたので、銀行・証券会社の株価が急騰して時価総額も跳ね上がったのでしょう。しかし所詮、こういう企業は実業ではなくて、現金や証券や土地を右から左へ動かしてその利鞘を稼いでいるだけなので、バブルがはじけ、リーマンショックがやってくると、瞬く間に業績が悪化して時価総額は急降下して、ランキングから姿を消して行ったのでしょう。

 そして次にやってきたのがインターネット時代で、いわゆるGAFAを中心としたIT企業が急成長する傍で、日本企業は波に乗り遅れてしまいました。

 平成30年の時点では、日本企業では辛うじてトヨタが35位に入っています。さすがトヨタはすごいなという気がしますが、これとて現在の「CASE(Connected コネクト、Autonomous 自動運転、Shared&Services シェア、Electric 電気自動車」という時代の潮流にどこまで振り落とされずについていけるのか、先行きは何とも言えず安心できませぬ。

 マイクロソフト社は平成30年は世界4位ですが、30年前には上位50位には入っていませんし、おそらくその頃はまだ影の薄い小さな企業だったのだと思います。確かに、平成元年はまだウインドウズなんて無くて日本ではNECIBMのパソコンを使ってましたね。

 それにしても、30年前にはNTTの時価総額が世界1位、しかも2位の2倍以上の時価総額でぶっちぎりの1位だったなんて、今となっては信じられないというか、時代の流れというか、栄枯盛衰を感じざるをえません。