ラテとシナモンロール

 映画や小説の中に出てきた飲み物や食べ物が何故だかとても飲みたく(食べたく)なることがあります。それは何か特別な飲み物や食べ物ではなくて、どこにでもあるようなものであることがほとんどです。むしろ特別ではなく、よく知っているけれど、そういえば最近は口にしていなかったな、というものである場合が多いです。先日、歯科クリニックへ行く途中の電車の中で翻訳小説を読んでいたら、ある登場人物がスタバのラテを飲みながらシナモンロールを食べているシーンがありました。そこにはラテやシナモンロールに関する詳しい描写があったわけではありませんでしたが、私の食欲中枢を刺激するには十分で、突如としてスタバのラテとシナモンロールが欲しくなってしまいました。そんな気持ちを抱えたまま歯科クリニックへ行き、治療台の上で仰向けになって口を開けている最中も心はラテとシナモンロールに占領されていました。

 歯の定期クリーニングが終わると、早速近くのスタバへ駆け込みました。店内は混んでいて、見渡すと空いている席は2つぐらいしかなく、注文カウンターには私の前に2人の客がいました。もし、空いている席が無くなってしまったら他の店舗へ行こうかなとヤキモキしている時にお店のスタッフがメニューを持って来たので、事情(席が取れなければ帰る旨)を説明すると、「それでしたら・・・」と言って、空いている席のひとつに「ご予約席」と書かれた表示を置いてきてくれました。スタバのこういうちょっとしたサービスが嬉しい。無事にテーブルについた私は、温かいシナモンロールを食べ、ショットを追加したラテを飲みつつ、小説の続きを読み始めたのでした。ささやかながら、幸せなひと時でした (^^)

f:id:tsuiteru2772:20200206044720j:plain