『老いた男』

 アクション小説の中には「CIAの元工作員」とか「元ネイビーシールズ(海軍特殊部隊)」といった男が主人公であることがあります。こういう場合、1)古巣のCIAから仕事の依頼が来て引き受けるのというパターンと、2)静かで平穏な引退生活を送っているところへ突然刺客がやってきて何とか返り討ちにするものの、その後も次から次へと襲われるというパターンがあります。今回読んだ『老いた男』は後者のパターン。主人公は既に引退した60歳を過ぎたCIAの元工作員で、現役時代に中東で行った作戦に関することが原因で命を狙われ、2匹の犬を連れて逃亡するというものです。なかなか面白かったのですが、アクションシーンが少なめで、逃亡中に出会った女性との恋愛に関する部分が多過ぎるのがちょっと残念でした。

老いた男 (ハヤカワ文庫NV)

老いた男 (ハヤカワ文庫NV)