サルトル

 最近は開高健の本を続けざまに読んでいます。小説を3冊ほど読んだところで、最近になって出版されたエッセイを読んでおりましたら、開高氏が「無人島へ持っていきたい本」としてサルトルの『嘔吐』という作品をあげていました。あの開高氏がそれほどまでに評価するなら私も是非とも読んでみたいものだと思い、駅前の大型書店へ行きました。店内に設置されている端末で『嘔吐』を調べてみると、ちゃんと在庫があると表示されました。その本が置いてある場所が記された紙切れをプリントアウトし、それを握りしめて私が向かったのは哲学関係の本が集められているコーナーでした。この書店にはよく来るのですが、哲学関係の棚には近寄ったことさえ無くて、今回が初めてでやや緊張しながら歩いていくと、お目当ての本はすぐに見つかりました。しかし2冊の異なる『嘔吐』が並んでいました。さて、どちらを買えば良いのか?奥付を開いて初版の年度を見ると、片方は1945年ぐらいで、もう片方は2010年でした。翻訳をしている人が違うわけですが、こういう場合は大抵、後から出版されるものの方が分かりやすく書いてあるものなので、新しい方を購入しました。

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 まだ30ページほどしか読んでいないので何とも言えませんが、開高健をして「無人島へ持っていきたい」と言わしめた理由がどこらへんにあるのかは分かりません。このまま読み進んでも結局分からないかもしれません。サルトルのような超ハイレベルな言論は開高健のような天才でないと理解できるものではなく、私のポンコツな頭では無理なのかもしれません。しかしこれから段々と面白くなるかもしれないので頑張ってもうちょっと読み進めてみます。