ノーベル文学賞

 本日10月7日はノーベル文学賞の発表がある日です。どうせ今年も村上春樹が受賞することはないのだろうという気持ちが私の中では95%だったのですが、でもひょっとすると受賞するかもという気持ちが5%ほど残っていたので、発表がある日本時間の午後8時にはスマホを取り出してNHKノーベル賞特別サイトにアクセスし、発表のライブ動画を見守ることにしました。

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 8時を少し過ぎた頃、白い扉が開いて男性が出てきました。そして手にした白い紙を見ながら今年のノーベル文学賞の受賞者の名前を読み上げました。その作家はタンザニア出身のアブドゥルラザク・グルナ氏。この作家のことは寡聞にして存じ上げないので、一応アマゾンで調べてみたのですが、取り扱っていないようですし、そもそも日本語訳は無いかもしれません。いずれどこかの出版社が邦訳版を出版してくれることを望みます。

 次に、当文学賞の選考委員長が出てきて、立ち飲みの居酒屋のテーブルみたいなものに肘をつきながら、授賞理由の説明を始めました。

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 主な授賞理由は「植民地のもたらす影響、そして異なる文化と大陸間に沈んだ難民の運命について、妥協なく、情熱を持って洞察した」ことだそうです。このような受賞理由や、過去の受賞者の顔ぶれ、および彼らが残した作品には少なからず共通点があって、そういったものと比べると村上春樹の作品はやはりちょっと毛色が違うというか、純文学的な重厚さが少なくて、ノーベル文学賞を取るにはポップ過ぎる感があるのは否めません。ただ選考側のそうした基準というのは時代とともに変遷していくものなので、いつか村上作品が彼らの基準にピッタリと合う日が来ることを願っています。