コズンドル

 先日、会社にて自社の飲料の新製品を数種類並べて皆で試飲をしておりました。その飲料のうちのひとつをある社員が見て「コズンドル」と言いました。初めて耳にする言葉でしたので意味が分からず外来語かと思っていると、別の社員がそれを「とごる」と言いました。全く意味が分からなかったので訊いてみたところ、「こずんどる」は「溶け切らずに沈殿している」という意味でした。「こずむ」=「沈殿する」に状態を表す「どる(=〜でいる)」が付いて「こずんどる」となったようです。一方「とごる」にも同じく「沈殿する」とか「よどむ」という意味があるそうです。「こずんどる」は愛知県東部から長野方面にかけて使われている方言で、「とごる」は愛知県西部から三重方面の方言のようです。さすがにこういう言葉を会社の報告書の中で使うことは無いみたいですが、日常会話で使うことは珍しくないようです。大学入学で上京して、関東やその他の地方から来ている学生と話していて、今まで知らなかった方言に触れたり、逆に自分が標準語だと思っていた言葉が通じなかったり、という経験はありましたが、身近なエリアにもまだまだ知らなかった言葉があるのは大変面白いですし、そういう言葉が使われなくなって忘れ去られてしまうことがないよう願っております。