読書の秋と言うけれど

 「読書の秋」という言葉、以前に比べると最近はあまり耳にしなくなったような気がします。秋に関しては「スポーツの秋」とか「食欲の秋」という言い方もあって、これらの言葉も考えてみれば、随分と昔からある言い回しですが、いまだに使われています。暑い夏がやっと終わって爽やかな気候になったので「スポーツをして気持ちのいい汗をかきたい!」とか、「実りの秋」、「収穫の秋」となって美味しい食材がたくさん出回るようになったので「いっぱい食べたい!」というように、秋になったことにより人の意識が「スポーツ」や「食欲」へ向かう自然な流れがあり、テレビのコマーシャルやグルメ番組、雑誌の広告などでその流れの方向にちょっと後押ししてやれば大衆の心理などは簡単に操作されてしまうわけなのです。

 しかし、読書に関してはスポーツや食欲のような自然な流れがありません。秋の清々しい空気は、普段あまり運動はしないような人にも「公園でウォーキングしてみようかな」という気分にさせることはあっても、「今日はとても爽やかな天気だから本でも読もうか」という気にはなかなかならないのではないでしょうか。むしろ「晴耕雨読」という言葉があるように、雨が降っている時の方が気持ちは読書に向きやすく、秋晴れは読書とは正反対のベクトルなので、秋を読書と結びつけること自体に無理があるように思えます。

 そんな中、アマゾンでは「読書の秋 本のまとめ買いキャンペーン」を11月1日まで実施中です。日本には本の再版制度(再販売価格維持)というルールがあって、書店が勝手に本(古本は対象外)の売価を決めることはできず定価で売らねばならないので、アマゾンと言えども本を値下げすることはできませんが、その代わりにポイントが通常(1%)よりも多く付与されます。一度に5〜9冊を購入すると最大5%、10冊以上で最大10%のポイント還元率となっており、かなりお得なので、これなら買ってみようかなという気持ちになります。