岡本太郎展

 名古屋の愛知県美術館で2週間前から始まった岡本太郎展に行ってきました。岡本太郎は日本人に最もよく知られた芸術家のひとりで、生前はテレビでもよく見かけましたし、亡くなってからもなお時々メディアで取り上げられており、幅広い世代にその存在が認知されています。しかし、ではどんな作品を遺したのかというと、太陽の塔以外に「これが岡本太郎だ」という代表的な作品が思い浮かんでこないのもまた事実。そんな作品に触れる良い機会だと思ったので足を運びました。 

 岡本太郎の著書を読みますと、芸術とは綺麗や美しいものだけでなく、「なんだこれは!?」という衝撃を与えるものでなければいけない、みたいなことを語っています。実際に生で岡本太郎の作品群を見ると、確かに綺麗なものは一切なくて、鑑賞者に迎合などせず、なんじゃこれは、という衝撃が何よりも先に伝わってくるものばかりで、その異端児ぶりがよくわかります。私のような芸術の素養の無い者にとっては、いささか難易度が高い展覧会でしたが、岡本ワールドの入り口に立てたような気がしましたし、少し時間を置いてからまた観に来たい気持ちにもなりました。