早朝の通勤電車の中で

 平日の朝、岐阜から乗る通勤電車は時間帯がまだ早いこともあってガラガラに空いています。私は大体いつも同じ車両の同じ場所に座ります。そのようにいつもの場所に座る人がほとんどで、私の向かい側にもいつも同じ男性が座っています。髪は真っ白で、60代後半のように見えるその男性は、腰を下ろすやいなや、というかまだ完全に腰を下ろし終わるか終わらないかのタイミングで鞄からタブレット端末(おそらくiPad mini)をサッと取り出したかと思うと、その後は電車が名古屋に着くまで一心不乱にタブレットを指で操作しています。年齢からして、ゲームにハマるようには思えませんし、もしかしたら仕事関係の書類の作成でもしているのだろうかとずっと思っていました。すると先日、何かの拍子にその男性が手を滑らせてタブレットを床にゴトンッと落としてしましました。ディスプレイを上側にして床に転がったタブレットをふと見ると、そこには緑色をバックにしてたくさんの白い牌が並んでいました。麻雀ゲームのようです。オンライン対決なのか普通のゲームなのかまでは分かりませんが、その男性が毎朝夢中になっていたのは麻雀でした。一般的に麻雀はボケ防止という意味では良いと言われています。確かに、実際の麻雀は頭を使うし、手も使うし、喜んだりガッカリしたりという感情の変化が伴いますし、他の三人のプレーヤーの様子を見てどんな手であがろうとしているのかを類推したりするので、ボケ防止効果は高いように思われますが、ゲームの場合はどうなのだろうか?