- 作者: 太宰治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/01
- メディア: 文庫
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太宰治の作品は「大好き」か「大嫌い」かの両極端に分かれるらしいのですが、私はこの作品を読む限り「あんまり好きではない」と感じました。小説のテクニック的な側面は別として、ここで描かれている世界があまりにも陰鬱で希望が無く、読み進むに従ってどんどん気分が滅入ってくるからです。
但し、『人間失格』は太宰が自殺する直前に書いたものであり、解説者(奥野健男氏)によれば「太宰治の作品としては、もっとも、そっけない書き方で書かれている。読者を意識し、懸命にサービス、奉仕につとめていた、それまでの作品とは明らかに違う。(新潮文庫『人間失格』p.175より抜粋)」とのことなので、それ以外の作品を読めば、また違った感想を持つのかもしれません。暫く時間をおいてから、別の作品も読んでみようかと思います。