アラーキー

 池袋の書店LIBROで行われた写真家アラーキーこと荒木経惟さんのサイン会に行ってきました。このサイン会は、荒木さんの『死小説』という本の出版記念として開催されたイベントでした。事前に電話で予約しておいて、サイン会当日にリブロで『死小説』を購入して整理券を受け取り、列に並んで待ちました。ここで初めて私はこの『死小説』を開いてみたのですが、「小説」といいつつも文字は一切なく、ある期間に撮影された写真が時系列に並べてあり、アラーキー独特のグロい写真がほとんどであり、正直なところサイン会絡みではなく普通に書店で手に取っていたら、おそらく購入していなかったでしょう。こういう写真は、特に女性にはあまり好まれないのではないだろうかと思って、サイン会の列に並んでいる人々を眺めてみると、意外と女性が多くて全体の半分弱といった感じで、年齢層も20代ぐらいから50〜60代ぐらいと広かったです。
 アラーキー氏を生で見るのは初めてだったのですが、テレビで見るのと同じ元気で明るい人でした。サイン会の列に並んでいる数十人のファンの「元気と明るさ」を全て足し合わせてもアラーキーひとりの「元気と明るさ」にはかなわないと思えるほどでした。
 ほどなくして私の番がやってきたのでサインをして貰い、握手もしました。アラーキーの手は意外と小さく、あの年齢(73歳)にしてはツヤツヤとした手でした。この手で何十万枚(何百万枚?)という数の写真が撮影されてきたんだなあと思うと感慨深いものがありました。アラーキーは4年ほど前に前立腺癌を煩って手術したそうですが(入院中は病院にカメラを持ち込み、白衣の看護婦さんを撮影していたらしいです ^^;)、これからも元気に写真家としての活動を続け、1枚でも多くの写真を残してほしいものです。