『トレイン・ミッション』

 リリースされたばかりの『トレイン・ミッション』というサスペンス映画を観ました。最近はTSUTAYAまでわざわざ行くのが面倒(返却に行く時はもっと面倒)なので、iTunesからレンタルとしてダウンロードしてMacのモニターで観ました。
 リーアム・ニーソンが演じる主人公のマイクは、元は警察官でしたが、保険会社へ転職しました。その会社に勤めて10年が過ぎたある日、成績不振を理由に突然解雇を言い渡されてしまいます。住宅ローンもまだ残っているし、息子が私立大学へ入学するので学費も必要だし・・・、と途方に暮れてしまいます。
 失意の中、マイクはいつも通勤に利用している電車で家へ向かいます。座席に腰を下ろして本を読んでいるマイクの傍に見知らぬ女性がやって来て声をかけてきます。奇妙に感じながらも軽く世間話をした後、その女性がこの列車の中にいるであろうある人物を探し出すことをマイクに持ちかけてきます。普段であれば一笑に付して相手にしないのでしょうが、報酬が大金であることにひかれてついその話に乗ってしまい、事態は思わぬ方向へ進んでいきます。

 列車の中で進行していく事件を描いたミステリーはたくさんあるようですが、もしかしたらアガサ・クリスティーの『オリエント急行殺陣事件』あたりがその系譜の源になっているのかもしれません。飛行機の乗客の中に潜んでいる犯人を探し当てるという映画(例えば、『フライト・ゲーム』とか。あれも主演はリーアム・ニーソンでしたが)もありますが、「列車の中」という設定には何か特別な、ミステリーファンをゾクゾク、あるいはワクワクさせるような、飛行機や船の中とは違う独特の雰囲気があります。

 リーアム・ニーソンは、10年ほど前に『96時間』というアクション映画のシリーズをきっかけに、アクション物にバンバン出演するようになり、「またリーアム・ニーソンかよ」と呆れてしまうほど何本ものアクション映画に出ていました。似たような、あるいは過去にも多くの映画やテレビドラマで使い古されたようなストーリー展開ばかりでしたが、今回のこの『トレイン・ミッション』はそれらと比べると出来ばえは良い方だと思います。

 この映画は列車が題材になっていることから、映画のエンドロール(クレジットタイトル)は列車の路線図を模した形になっているところは、洒落ていてアメリカっぽいなぁ、と思いました。この路線図が具体的に何処なのか、マニアの人が見れば見当がつくのかな?アメリカには日本の「鉄ちゃん」みたいな鉄道オタクはいるのかな?