丁寧な言い回し?

 先日、ある著名人が言葉の間違った使い方について話しておりました。そこで取りあげられたのが「〜させて頂く」という言い方。例えば「・・・質問させて頂きます」のような言い方がテレビ番組の中や、国会の答弁の中でも使われたりしており、その著名人は「聞くに耐えない」と嘆いていました。「させて頂く」というのは過剰に丁寧な言い方で間違っており、この場合は「質問致します」という言い方で十分であると、その著名人は言っていました。あと、アイドルグループが「紅白に出させて頂いて〜」と言っているのを聞いたことがあります。

 また、会社の仕事で社内や社外にメールを出す際、本文の最初にまず送信先の相手の名前と役職名を書きます。〇〇部長、とか〇〇課長とか。ここに更に「様」と付けて「〇〇部長様」とか「〇〇課長様」と書いてしまうことがあるようですが、役職名がある場合は「様」は付けないのが正しいのだそうです。ただ問題は、役職名を書いて「様」が無いメールを受け取った人が、「様」が無いことに対して「ああ、このメールを書いた人は様を付けないのが正しいということを理解しているな」と思ってくれるなら良いのですが、「なんだこいつは、様を付けてないじゃないか!礼儀を知らないやつだ。」と誤解することがあるかもしれないということです。

 「させて頂く」も「〇〇部長様」も、いずれも丁寧すぎるのが問題なわけですが、こういうのが発生する背景には、「失礼の無いようにしなきゃ」という強迫観念があるのだと思います。日本の場合はこのプレッシャーが特に強くて、相手を思う気持ちやフレンドリーさなんかよりも、「失礼の無いように」が最重要のポイントのようで、何かと疲れます ^^;)