泥のように眠る

 先日、ある人がネットの記事に書いていてのですが、「ぐっすり眠る」ことを表す言い回しに「泥のように眠る」というのがあります。何故「泥」なのか?その記事によると、泥とは古来中国語で「海に住む妖怪」のことを指し、この妖怪は海の外に出ると急にダラッとなって全く動くことが出来なくなってしまう、というのが語源らしいです。私は「泥のように眠る」という表現は自分ではあまり使いませんが、小説の文章の中に出てくればその意味するところは理解していました。しかし、語源が中国の妖怪だとは知りませんでした。そういう何千年も前(たぶん)の中国に由来する言葉が今も残っているのは、大昔と現代が繋がっているようで、ちょっとした感慨を覚えます。そういう歴史を感じさせる「泥のように眠る」という言葉がありながら、現代では「爆睡」という言葉で済ませてしまいます。ある程度以上の深い眠りは全部「爆睡」。この「爆睡」という言葉が「泥のように眠る」を駆逐してしまいそうです。この言葉の出現により「泥のように眠る」なんて言葉は益々使われなくなってしまい、完全に消え去ってしまうのかもしれません。