50年前の映画

 レンタルで観る映画の選択において「上映時間がどれぐらいか」はとても大切です。2時間以内であれば特に問題ではありませんが、それ以上になるとよほど興味がある作品か、大好きな俳優が出演しているとかでない限り、観ようという気にはなりません。その理由は、やはり時間が無いからです。しかし、今回のお正月休みは時間に余裕があったので「気にはなっていたけど、上映時間が長いから観ていなかった映画」を腰を落ち着けて観ることにしました。候補は幾つかあったのですが、今回選んだのは『ゴッドファーザー』。こんな50年も前に作られた映画を何で今さら、と思われるのは百も承知です。しかし、あるインテリ系の著名人がインタビューで「これまでに観た映画のベスト3を挙げるとしたら」という問いに対して「ゴッドファーザーの三部作」と答えているのを聞いて、そんなに面白い映画ならばいつか観てみたいとずっと思っていたのでした。そして上映時間177分(2時間57分)のゴッドファーザー(シリーズ1作目)を観ました。「古典的名作」という雰囲気がどうしても漂ってしまうのは仕方がないにしても、そうでありながらこの21世紀に観ても十分に面白い映画で、50年という歳月に晒されながらも風化したり時代遅れだと感じさせることは無いと感じました。こういう映画を作る人がいなくなってしまった現代だからこそ余計に、その個性と時代を超えた普遍性が輝いて見えます。さすが、フランシス・コッポラ監督。シリーズ2作目は3時間20分、3作目は2時間41分ですが、いつかまた時間に余裕がある時に観ることにします。