読書

 丹羽宇一郎という伊藤忠商事の元社長の本が、一時期(何年も前に)書店のビジネス関係の棚に何冊も並んでいたことがありました。しかしながら、どういうわけか、丹羽氏の経営方針的なことが好きになれなかったので、読んでみようという気にはなりませんでした。ところが先日、その丹羽氏が自身の読書歴について語った『死ぬほど読書』という新書が書店で目にとまり、この人は一体どんな本を読んできたのか、と興味が湧いてきたので購入して読みました。ある程度予想はしていましたが、幼少の頃から実にたくさんの本を読んでおられ、社会人になってからも忙しい毎日の中で時間を確保して読んでいました。また、ただ読むだけではなく、重要な部分をノートに書き写したり、本の余白に書き込んだり、そしてそれらを読み返したりする読書法はかなり能動的で、やはり大きな会社の社長になるような人は違うなぁと思いました。

 読書に関するある調査によると、日本人の2人に1人は1年間に1冊の本も読まないのだそうです。逆に言うと1冊読めばそれだけで読書量上位50%に入ることになりますし、月に1冊とか週に1冊とか読めば上位数%に入ることになり、それに応じた教養が身に付くでしょうし、そういった積み重ねが例えば20代の頃には分からなくても、30代、40代と年齢を経るとともに人間としての幅が出てくるような気がします。