プラセボ効果

 先日、会社からの帰りの電車の中でツイッターのタイムラインをザーッと早送りで見ていたら日経のアカウントに本の表紙の写真があるのが目に入りました。スワイプする指を止めて読んでみると『予測脳』という本の紹介でした。プラセボ効果に関する本のようです。知っているようでよく知らないプラセボ効果について、詳しく知る良い機会だと思い、翌日の帰宅途中に書店で買い求め、すぐに読み始めました。著者はスウェーデンカロリンスカ研究所(ノーベル医学・生理学賞の選考を行う研究所)の准教授。プラセボ効果の現在における研究状況、どこまで分かっていて、何が分かっていないのか等について、たくさんの論文を引用しながら説明していました。プラセボ効果には一定の効果があるものの、メジャーな研究対象ではないんだろうなと何となく思っていたのですが、結構研究が進んでいて驚きました。

 ところでこの『予測脳』のオリジナルのタイトルは”Placebo Effect”で、そちらの方が内容にピッタリと合っていて「ピンとくる」のに対して、邦題の「予測脳」は、何のことだかわけが分からない、とても下手なタイトルの付け方だと思います。これは多分、何年か前にベストセラーになった同じくスウェーデン人のアンデシュ・ハンセン医師が書いた『スマホ脳』に合わせて「〇〇脳」というタイトルを無理矢理作り出したのではないかと推察します。