よく冷えたシャブリ

 小説を読んでいると、特に村上春樹の小説で食事をするシーンで出てくるのがワインで、直近の長編諸説の中にも自宅に女性を招いて食事をする場面で「よく冷えたシャブリ」という表現が出てきました。私は自分がお酒に弱いこともあって、普段からアルコールを摂取することはあまり無いので、ワインに関する知識もほぼ無いに等しく、シャブリと言われても何のことなのかイメージできませんでした。しかしここは村上文学をより深く理解するためにも、シャブリがどんなものか飲んでおくべきだと思い、買いに行くことにしました。絶対に置いてないだろうと思いつつも普段利用しているスーパーの酒類コーナーを見てみたところ、当然のことながら見当たらなくて、1本千円もしないワインがずらりと並んでいました。ならばと、成城石井へ行ってみると、ありました。五千円ほどのシャブリが2種類あったのですが、少しだけ高い方を購入。帰宅して冷蔵庫へ入れてよく冷やしてから白ワインに合いそうな食事とともに味わってみると、辛口でスッキリした口当たりでありながら、薄っぺらではなくて、深みのある後味が残るような感じがありました。ワインは本当にピンキリで、しかも高ければ美味しいというものではないのでしょうし、今回初めて私が口にしたシャブリがどの程度のレベルなのかは皆目見当もつかなくて、それがちょっと悔しかったりします。