もう餌をやらないと決意するも

 私の家の敷地に棲みついた猫に餌を与えてしまうようになって2週間あまりが過ぎてしまいました。以前にも書きましたが、一度餌を与えてしまうとやめたくてもやめられなくなってしまいます。しかし、棲みついたと言っても野良猫に餌を与え続けることは良識ある社会人がすることではありません。責任を持って飼うか、そうでなければ餌を与えるのをキッパリとやめて猫がどこか別の場所へ行くのを待つか、という2つしか選択肢はありません。どう考えても家の中で飼うことはできないので、やはり餌を与えるのは金輪際やめよう、と会社からの帰り道に決意したのでした。家の前へ到着し、いつものように自転車をカーポートに停めていると、猫は私が帰ってきたことを察知したようで「にゃあ」という弱々しい鳴き声が聞こえてきました。そして門へ向かって歩いていくと、出迎えにきた猫が私を見上げていました。心の中で「ごめん、もう餌をやらないことに決めたんだ」と呟きながら足早に玄関へ向かいました。私の少し前を進んでいく猫をふと見ると歩き方がへん。どうやら後ろ足をケガしているみたい。そういう姿を見てしまうと憐れに思えて仕方がなくなってしまい、先ほどの「金輪際餌をやらない」という決意は、へなへなと崩れてしまったのでした。もしかして憐れみを誘うために足をケガしたような演技をしているのか?とも思いましたが、まさか野良猫がそこまでしないだろうし。