平日の朝5時頃、新聞を取りに行くために玄関のドアを開けると「チリン、チリン、・・・」という鈴の音が遠ざかっていくのが聞こえるようになったのは1週間ほど前からでした。この時期の朝5時はまだ陽が登っておらず、玄関の照明の光が届く範囲の外の物は暗くて見えないので、その鈴の音の主を目視確認することはできないのですが、状況から察するに猫であることは間違い無いでしょう。鈴を付けているということは、以前はどこかで飼われていたのが逃げ出したのか、あるいは捨てられたのか(捨てる際は飼い主は自分が飼っていた痕跡を消すために鈴の付いた首輪は外すような気がするのですが)、いずれにせよ、今は我が家の庭を棲み家とすることにしたようです。野良猫は一般的に、人間から数メートル離れたところで自分の姿を晒し、あわよくばエサを貰えるかもと思っているような感じでジッとこちらを見ているのですが、近寄ろうとして一歩踏み出した途端にサッと逃げていってしまうものです。しかし、今回の鈴を付けた猫は全く姿を見せようとしません。これほど人間に対する警戒心が強いのは、以前の飼い主からよほど酷い目にあったからなのかもしれません。こちらとしては餌を与えることにやぶさかではないので、明るい場所に出てきて姿を見せてくれないものだろうか。