近代盆栽

 『近代盆栽』という月刊誌を購入しました。これまで私は盆栽に関心があったわけではありません。むしろ「あんなもの、どこか面白いんだか」ぐらいのスタンスでいました。では何故『近代盆栽』を買ったのかというと、トミー・リーのことがその雑誌に特集記事として掲載されていたからです。トミー・リーとは、米国のモトリー・クルーというハードロック・ヘヴィメタル系のバンドのドラマーで、作り出す音楽も演奏スタイルも私生活もぶっ飛んでいて、全身にタトゥーが入っていて、日本ではかつて「泣く子も黙るトミー・リー」と呼ばれていました。そんなトミーですが、数年前に日本の盆栽に魅せられてすっかり虜になってしまい、それまでは浴びるほと飲んでいた酒もやめて盆栽に取り組むようになったのだそうです。そして昨年の秋の日本公演の際、他のメンバーよりも早く来日して2週間ほどかけて日本の著名な盆栽家のアトリエを訪ねて廻り、その様子がこの『近代盆栽』の3月号に載っているのでした。モトリー・クルーは私の好きなバンドだし、盆栽とは全く対極にあるような、最も縁遠いと思われるような人間だったトミーが盆栽に目覚めてしまったことに驚き、もっと詳しく知りたいと興味を覚えたのがこの雑誌を購入した動機でした。掲載されていた記事は大変興味深く、関東、信越、京都の他に愛知県へも来て犬山城天守閣まで行ったと書いてあり、あのトミーが犬山城に来たんだぁ〜、と驚きました。この記事を読んで、私の盆栽に対する偏見は消え、自分でもちょっとやってみようかなという気持ちにさえなりました。