NIGHT TRAIN

 80年代半ばに結成されたGuns N' Rosesというアメリカのハードロックバンドのファーストアルバムの中にNight Trainという曲があります。歌詞の中に「俺はナイトトレインを飲んで酔っ払ってるのさぁ〜」みたいな言葉があり、どうやらナイトトレインという名前のお酒があるらしいことは察しがつくのですが、それがどんなものなのかはわからず、ず〜っと気になっていました。

 バーの世界に興味を持つようになった今日この頃、ある日、お酒のことをいろいろと調べているときにナイトトレインという名前のカクテルがあることが分かり、「これがあの曲に歌われているお酒に違いない!」と思い、次にバーへ行ったら是非飲んでみようと決めました。

 そして、先日京都のバー・オルビットを訪れた際、ラフロイグを飲んだ後に「ナイトトレインというカクテルをお願いします」とオーダーしました。しかしあまりメジャーなカクテルではないのか、その時の若い女性のバーテンダーは、ナイトトレインを知らないようで、「ちょっとお待ちください・・・」と言って奥へ引っ込んでしまいました。慌てて先輩のバーテンダーに訊きに行ったのか、レシピ本を調べているのか、あるいはグーグルで検索しているのかはわかりませんが、数分も待たされた後にやっと私の前に再び姿を現した彼女は「大丈夫です。わかりました。」と言ってにっこり微笑み、すばやくナイトトレインを作ってくれました。

 カクテルグラスに注がれたナイトトレインは、見た目はエレガントですが、思ったよりもアルコールが強く、ちびりちびりとしか飲めなかったのですが、なかなか美味しいカクテルでありました。

 しかし、この洗練されたカクテルが、Guns N' Rosesの曲で歌われているお酒とはとても思えませんでした。あの曲は、金の無い若者が安い酒をかっくらってウサを晴らしているという退廃的な内容であり、静かなバーでゆっくりと味わいながら飲むカクテルとはイメージが大きくかけ離れているように感じます。これはナイトトレインという名前のお酒が別に存在するに違いないという結論に達し、あらためてネットで調べてみましたら、ナイトトレインというワインがあることがわかりました。ワインといっても葡萄から作られた本物のワインではなくて、アルコールに砂糖と香料・着色料等を添加して作ったいわば合成酒で、激安のアルコール飲料のようです。これならGuns N' Rosesのあの曲のイメージにぴったり合います。ようやく謎が解けてスッキリしました。でもこの合成ワインは飲んでみようとは思いませんけど ^^;)

下の写真の左側がナイトトレイン。