スマホ

 以前はよくかける相手先の電話番号ぐらいは記憶していたのに、携帯電話の登場によって覚えられなくなってしまったという話はよく耳にします。住所録や電話帳を見ながらでも自分の指で電話の数字ボタンを押せば何回かやるうちに覚えていくものでした。しかし、携帯やスマホの場合は電話番号を見なくても相手先の名前を選択して発信ボタンを押すだけで済むので、覚えられないわけです。
 電話番号以外にも似たような現象が起こっています。私の場合は日々のスケジュールの管理はスマホで行っており、そこにちゃんと入力しておけばきちんと実行できるのですが、そこに書かれていない事柄については全く出来なくなりつつあります。これは、年を取ることによる記憶力の低下の影響もあるのかもしれませんが、電話番号の場合と同様に自分の頭を使わなくなったせいだと思われます。
 こうやって人は段々と自分の頭を使わなくなっていくのかと思うと、何だか恐ろしい気がします。例えば通勤途中のちょっとした時間にスマホを取り出してニュースを読んだりツイッターに目を通したりという行為は、一見スキマの時間を有効に利用しているようでいて、実は大量の情報が自分を通過していっているだけで、「面白い」とか「むかつく」といった単純な感情が発生することはあったとしても、脳では何の思考も行われていないのかもしれません。気をつけねば。