同音異義語

 小学生ぐらいの頃だったか、夕方になるとテレビで刑事ドラマが再放送されていました。それが『西部警察』だったのか『大都会』だったのか、はたまたその二つのどちらでもなかったのか、今となっては確かめようがないのですが、そのドラマのある放送回の中で、渡哲也さんが演じる刑事が助手席に座り、若手の刑事が運転する車で移動しているシーンがありました。暫く行くと前方で工事か何かのために道路が渋滞していました。それを回避するよう渡哲也さんは若手刑事に指示を出します。その時に言った言葉は「うかいしろ!」でした。岐阜で育った少年(私)にとって「うかい」と言えば「鵜飼」しかないわけで、「えっ?こんな場所で鵜飼???」と頭の中が?マークでいっぱいになってしまったことがありました。その時の「うかい」は「鵜飼」ではなくて「迂回」だということが分かったのは、だいぶ後になってからでした。

 目で漢字を見るのではなく耳で言葉を聞くと、同じ発音の別の意味の言葉に頭の中のイメージが引っ張られることは珍しくありません。よくあるのが経済関連のニュースの中で「景気動向指数が五期ぶりに回復した〜」などとアナウンサーが原稿を読み上げるのを耳にすると「五期ぶり」が別の言葉のように聞こえて一瞬不快感を覚えることがあります。頭では分かっていても、どうしても強烈なイメージの方へ引っ張られてしまうのです。

 最近時々耳にする言葉で、聞いた瞬間に別のものをイメージしてしまうのが「オシント」という言葉です。「オシント(OSINT)」とはオープン・ソース・インテリジェンス(open-source intelligence)の略で、一般に公開されている情報や合法的に入手できる情報を分析して独自の意味を読み取る手法のことです。そのような意味であることは頭では分かっているのですが、テレビやラジオのニュースで「オシント」という言葉を聞くとどうしても「『おしん』と・・・」と聞こえてしまい(NHKのニュースだと尚更)、そのドラマのシーンが頭に浮かんできてしまいます ^^;)


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