千利休と孔子

 千利休がどういう人物であったのか、頭に思い浮かぶイメージは、学校の歴史の教科書に載っていたものだとか、大河ドラマなどでの描かれ方に大きく影響されていて、誰しも似たような人物像をイメージしていることでしょう。茶坊主として時の権力者に多大な政治的影響を及ぼす存在であった晩年のイメージが殊更印象が強く、その頃の見た目は確実にしょぼくれた「おじいちゃん」。ところが、その千利休の身長が180センチだったと知ったらどうでしょう。現代でも180センチという身長は高い方だし、平均身長が155センチぐらいだった時代に180センチというのは相当な大男であったに違いありません。利休は「頭脳でのし上がってきた人」とばかり思い込んでいたのですが、実はその外見が相手に与える威圧感というのも少なからずあったに違いなくて、身長180センチという一つの事実が明るみに出ただけで、イメージがガラリと変わってしまいました。

 似たような話で、古代中国の思想家であり儒家の始祖である孔子の身長が2メートル16センチだった(諸説ありますが)というのも、それだけで、孔子のイメージがガラガラと音を立てて崩れてしまい、また新たなイメージを構築し直さなくてはならなくなるほどインパクトが強いです。利休の180センチというのは、まあ何とかギリギリ受け入れることができますが、2メートル16センチって、何だよそれは、NBAプロバスケットボール選手かっ!と突っ込みたくもなります。

 というようなことを先日のラジオの深夜放送のオープニングトークで伊集院が話しているのを聞いて、とても驚きました。