郵便物配達係

 会社の私のフロアは上の方の階にあるのですが、用事があったので1階まで降りていきました。用事を済ませた後、1階のメール室の棚(届いた郵便物をフロアごとに仕分けして置いてある棚)を見てみると、私のフロアの社員宛の郵便物がたくさんあったので、それらを抱えて自分のフロアへ戻っていき、宛先に書いてある社員に渡していきました。こういう作業は普段はパートタイムの女性がやっているのですが、今回は私が他の用事のついでに行ったのでした。この「郵便物をみんなに配る」というちょっとした仕事(仕事と呼べるほどのことではないけど)が割と好きで、今回のように「ついでに」ではなく、むしろ積極的にやりたいぐらいです。これで思い出したのが、小さな子供の頃に見た海外(たぶんアメリカ)の映画のワンシーンでした。大きなビルに入っている会社の中で、カゴの中にたくさんの郵便物が入ったショッピングカートみたいな台車を押して各フロアのデスクを回っていって「おはよう!はい、郵便が届いてたよ」とか言いながら社員に手渡していく人が映っているシーンでした。その郵便物配達係はその映画の主人公ではなく、ほんの2〜3秒映るだけの端役とさえ言えないような役でしたが、「世の中にはああいう仕事があるんだぁ。何だか楽しそうだな・・・」と当時の幼い私には素敵な仕事に思えたのでした。映画のストーリーや主人公が誰だったのかは全く覚えていないのですが、郵便物配達係のことだけが強烈に印象に残りました。じゃあ、大きくなったら日本の郵便局に就職してバイクで配達する人に憧れたかというとそんなことは全然なくて、あくまで大企業の大きなビルの中で台車で配るのが面白そうだと感じたみたいです。