ノーカントリー

 『ノーカントリー』という映画をレンタルで観ました。2007年の映画で、そんな映画があるとは当時からつい先日までずっと知らなかったのですが、ユーチューブのオススメ動画としてこの映画の予告編とか数分のシーンが度々紹介されて、それらを見ているうちに「じゃあ、観てみようかな」という気持ちになったのでした。舞台は‘80年代の米国のメキシコ国境付近(たぶんテキサス州)。ある男がたまたま見つけた2百万ドル(麻薬関係の金)が入ったカバンを持ち去ったために、麻薬カルテルが差し向けた暗殺者に追われることになる、というストーリーです。この暗殺者は行手を邪魔するやつは顔色ひとつ変えずにどんどん殺していくので、そういうのが苦手な人は観ない方が良いでしょうし、私もそれほど好きではないはずなのですが、ストーリーの運び方が上手いし、ひとつひとつのカットの構図とか光の当て方なんかもよく考えられているし、登場人物のバリエーションもバランスが取れているので、よく出来た映画だなぁ、と感じないわけにはいきませんでした。後で調べてみたら、この映画はアカデミー賞の作品賞、監督賞、助演男優賞、脚色賞を受賞していました。どうりで、面白いと感じたわけだ。ちなみに原題は“No Country for Old Man“。原作の小説の翻訳版がハヤカワ文庫から出ているので、そちらも読んでみたくなりました。